【保存版】退去費用で請求されやすい10項目を行政書士が解説|支払う必要がある費用・ない費用とは?
「退去費用が10万円以上請求された…」
「この請求、本当に支払わなければいけないの?」
賃貸住宅を退去する際、このような不安を抱える方は少なくありません。
実際、国土交通省が公表しているガイドラインでも、原状回復をめぐるトラブルは賃貸借契約における代表的な紛争の一つとされています。
中には、本来借主が負担する必要のない費用まで請求されるケースもあります。一方で、借主の故意・過失による損傷については、適切な範囲で負担しなければならない場合もあります。
この記事では、行政書士の視点から退去費用で請求されやすい10項目について、「支払う必要があるケース」と「支払わなくてもよいケース」を分かりやすく解説します。
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退去費用の基本ルール
まず押さえておきたいのが、「原状回復」の意味です。
原状回復とは、
借りた当時の新品の状態に戻すことではありません。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、
通常の使用による損耗や経年劣化は貸主負担が原則
とされています。
つまり、
- 年数が経過して自然に劣化したもの
- 普通に生活していて生じた傷や汚れ
まで借主が負担する必要はありません。
① ハウスクリーニング費用
よくある請求
- 一律30,000円
- 一律50,000円
支払う必要は?
契約書の特約によります。
契約書に
「退去時に借主がクリーニング費用を負担する」
という特約があり、その内容が適法であれば負担しなければいけない可能性があります。
一方、特約がないにもかかわらず一律請求されるケースもあります。
まずは契約書を確認しましょう。
② クロス(壁紙)の張替え
借主負担になる例
- タバコのヤニ
- 落書き
- 大きな穴
- ペットによる傷
貸主負担になる例
- 日焼け
- 経年劣化
- 家具跡
- 画鋲程度の穴
クロスには耐用年数も考慮されます。
例えば数年間使用したクロスを新品交換する場合でも、借主が新品全額を負担するとは限りません。
③ フローリングの傷
請求されやすい項目です。
借主負担になる可能性
- 重い物を落とした
- 家具を引きづった
- 故意に付けた傷
貸主負担になる可能性
- 家具による通常の設置跡
- 日常生活で生じた軽微な摩耗
- 経年劣化
傷の原因や補修方法によって負担割合は変わります。
④ エアコンの故障
通常使用による故障は、
原則として貸主負担
です。
ただし、
- フィルター清掃を怠った
- 故意に破損した
場合は借主負担となる可能性があります。
⑤ 鍵交換費用
近年非常に多い請求です。
鍵交換費用は
契約書に特約があるか
が重要です。
退去時に借主負担とする特約があれば、一定の条件で有効となることがあります。
⑥ 残置物撤去費用
例えば、
- マットレス
- 家具
- 冷蔵庫
- 洗濯機
などを置いたまま退去した場合です。
この場合、
借主負担となる可能性が高いでしょう。
ただし、
請求金額について疑問がある場合は、
どのような基準で算定したのか説明を求めること
は決して不当なことではありません。
⑦ 畳の交換費用
通常使用による色あせや摩耗は、
原則貸主負担です。
しかし、
- 飲み物をこぼしたシミ
- カビを放置した
- 焦げ跡
などは借主負担になることがあります。
⑧ 建具・ドアの破損
- ドアを蹴って壊した
- ガラスを割った
などは借主負担です。
一方、
経年劣化による建付け不良などは貸主負担となるケースがあります。
⑨ 水回りの汚れ
キッチン・浴室・トイレなどです。
通常の使用による汚れは、
クリーニング費用の範囲内と考えられることが多いです。
しかし、
- 油汚れを長期間放置
- カビを放置
などは借主負担となる場合があります。
⑩ 設備・備品の紛失
例えば、
- リモコン
- カードキーやごみ置き場の鍵
- 排水溝の受け皿
- 洗濯パンのエルボ
などです。
紛失した場合は、
借主負担となる可能性が高いでしょう。
高額請求を受けたら確認したい5つのポイント
退去費用が高いと感じたら、次の点を確認してください。
✅ 契約書に特約があるか
✅ 国土交通省ガイドラインに照らして通常損耗ではないか
✅ 見積書や請求内容に不明点はないか
✅ 退去立会いで安易に「全て同意」と署名していないか
✅ 分からないまま支払わず、まず確認・相談する
行政書士からのアドバイス
退去費用は、「請求されたから支払う」のではなく、契約内容や法的な考え方に照らして確認することが大切です。
一方で、借主にも負担すべき費用はあります。重要なのは、「支払うべきもの」と「支払う必要のないもの」を区別することです。
また、管理会社や貸主とのやり取りは、感情的になるのではなく、契約書やガイドラインなどの根拠をもとに冷静に進めることが、円満な解決につながります。
よくある質問(FAQ)
Q. 退去費用は必ず支払わなければいけませんか?
いいえ。請求された費用がすべて借主負担になるわけではありません。契約書や請求内容を確認し、必要に応じて貸主や管理会社へ説明を求めましょう。
Q. 退去立会いでサインしたら請求に同意したことになりますか?
サインの内容によります。退去の確認を目的とした署名なのか、費用負担への同意なのかは書面の内容によって異なります。疑問がある場合は、その場で確認し、必要であれば「費用には同意していない」旨を明記することも検討しましょう。
Q. 見積書や請求の根拠は確認できますか?
法律上、業者の請求書や領収書を必ず開示しなければならない義務があるとは限りません。しかし、請求額の算定根拠について説明を求めること自体は当然のことです。
まとめ
退去費用は、「請求されたから支払う」「納得できないから一切支払わない」という二択ではありません。
まずは、
- 契約書
- 国土交通省ガイドライン
- 請求内容
を確認し、必要であれば管理会社へ質問しましょう。
冷静に話し合うことで、請求内容が見直されるケースも少なくありません。
当事務所でもご相談を承っております
退去費用について、
- 契約書を確認してほしい
- この請求は妥当なのか知りたい
- 管理会社とのやり取りに不安がある
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