風営法での「変更届」と「構造変更申請」の違い ― 風俗営業者が絶対に知っておきたい手続き

風俗営業を運営していると、店内のレイアウト変更や設備の改修、あるいは書類上の変更が起きる場面が必ずあります。
このとき、どのような変更に対して 「届出」が必要なのか、またどのような変更に対して 公安委員会の事前承認が必要なのか―― それを間違えると 風営法違反(無届営業等) につながる可能性があります。

ここでは、警視庁の案内をベースに、風営法における 「変更届(軽微変更届出)」と「構造変更申請(承認申請)」の違いを解説します。

参考サイト:警視庁ホームページ


🔍 1. まず前提:風営法の手続きは2つ

風営法の運用における店内設備変更手続きは大きく分けて 2種類あります。


🟢 ① 変更届(軽微な変更の届出)

届出が必要な変更は「軽微なもの」だけ

風俗営業者が営業所の構造や設備について軽微な変更をした場合、変更届を公安委員会に提出します。警視庁のページ

📝 届出が必要な例

  • 営業所の小規模な修繕や模様替え
  • 作り付けでない家具の設置・入替え
  • 自動販売機などの設備の設置・入替え
  • 照明・音響・防音設備の変更
  • 遊技機(ゲーム機など)の増設・入替え(一定条件あり)
    → ただし 遊技場営業以外の遊技機の場合のみ、一定数の増減があれば必要など、細かい基準があります。

⏱ 届出の期限

  • 原則として 変更があった日から1か月以内
  • 照明・音響・防音設備などは 10日以内 など短めの期限が設定されています。

🔴 ② 構造変更申請(承認申請)

軽微ではない大きな変更は事前に承認を受ける必要あり

たとえば、

  • 客室の位置・数・床面積の変更
  • 壁・仕切りなど店舗内部構造そのものの変更
  • 業務方法の変更に伴う構造や設備の根本的な変更

など、軽微なものを超えた大きな構造・設備の変更を行うときには、事前に 都道府県公安委員会の承認を受ける必要があります。
警視庁のページ

この手続きがいわゆる 構造変更承認申請です。

📌 申請するタイミング

  • 変更着手前に行う必要あり
    → 設計や工事前の段階で、公安委員会に申請して承認を得る必要があります。

📎 添付する書類

  • 変更に関する図面(平面図・略図)
  • 営業方法の説明資料
  • 使用権原の証明書など
    → 基本的な申請資料は、許可申請時に必要な書類類似で、変更内容を詳細に説明するものです。

🆚 変更届と承認申請の「本質的な違い」

観点変更届(軽微な変更)構造変更申請(承認申請)
法的根拠風営法で定められる「軽微な変更の届出義務」風営法で定められる「承認を要する大きな変更」
変更の規模軽微(修繕・簡易配置変更など)大規模(客室面積・仕切りなど構造的)
手続きの種類届出事前承認申請
提出タイミング変更後1カ月以内変更前(必ず)
行政の審査形式的な届出チェック中心現地実査あり(承認の有無を判断)

📝 どう判断する? 軽微 vs 大規模

いざ現場で悩むのは、

「これって届出で足りる? それとも承認申請?」

という点だと思います。
行政の細かいガイドラインでは、

✔ 営業所の見た目やレイアウトの「ちょっとした変更」 → 届出
✔ 客室面積そのものや壁配置など営業遂行に影響する変更 → 承認申請

というラインが引かれています。

たとえば、

  • 照明器具を交換・配置替え → 届出
  • 客席仕切りを撤去して通路幅が変わる → 承認申請
    このように、営業の根幹に影響を及ぼす変更かどうかが基準になります。

風営法の変更届・構造変更申請の判断例

実務で迷いやすい「どっち?」を一気に解説!

風俗営業を運営しているとき、店舗の変更がある場合には
👉 「変更届」で済むのか
👉 それとも「構造変更申請(承認申請)」が必要なのか
――この判断に迷うことがよくあります。

そこで今回は、現場でよくある 具体的なケース別にどう判断するか を、実務ベースで解説します。


🟡 【パターン①】軽微な修繕・設備更新

結論: 変更届は不要 または 軽微変更届のみ
(公安委員会への届出義務はない場合もあり

📌 例① 壊れたガラスの交換

→ 「届出不要」
単なる破損修繕の原状回復であり、営業所構造に影響しません。

📌 例② 壁紙の貼替

→ 「届出不要」
内部構造の変更ではなく原状回復行為と扱われます。

📌 例③ 照明を同じ性能の器具に交換

→ 「届出不要」
同一規格・性能内の設備更新の範囲なので届出義務はありません。


🟢 【パターン②】家具や設備類の入替・増設

結論: 軽微変更届出が必要なケース

📌 例④ 食器棚や椅子・テーブルの設置・入替

→ 「軽微変更届出」
作り付けでない家具類の設置・入替は「軽微変更」に該当します。

📌 例⑤ 自動販売機の設置・入替

→ 「軽微変更届出」
設備としての増設・入替えは届出対象です。

📌 例⑥ 遊技設備(ゲーム機など)の入替・増設

→ 「軽微変更届出」
ぱちんこ屋以外の営業における遊技設備の設置増減は届出義務あり。

届出書は変更後1か月以内、照明・音響・防音設備なら10日以内に提出 です。


🔴 【パターン③】構造そのものの変更

結論: 事前に構造変更承認申請が必要

📌 例⑦ 客室の位置を変える

→ 「承認申請」
客室レイアウトが変われば営業方法にも影響し、軽微変更とは認められません。

📌 例⑧ 客室数を増やしたり減らしたりする

→ 「承認申請」
床面積などに変更が生じ、構造の根本的な変更とされます。

📌 例⑨ 内部仕切り壁やふすまの変更・撤去

→ 「承認申請」
壁等の変更は内部構造を変えるため、承認が必要です。

📌 例⑩ 営業方法が変わる大規模な改装

→ 「承認申請」
たとえば接客スタイルの見直しに伴うレイアウト変更は、構造にも影響することがあり承認対象になります。

※ これらは 工事着手前に申請・承認を得ることが必須 です。


⚠ 【パターン④】境界が微妙なケース

「軽微?」 「承認?」 と迷う代表例もあります。

✅ 例⑪ 照明や音響設備の大規模な入替
  • ただの電球交換 → 届出不要
  • トータルで照度や防音特性が大きく変わる → 承認申請の可能性あり

👉 単なる「部品交換」か 性能・構造に影響を及ぼす 変更かで判断が分かれます。

✅ 例⑫ 家具配置の大幅変更
  • 客席内で見通しを妨げない程度 → 届出不要
  • 通路幅や営業動線が変わるほどの配置変更 → 承認申請の可能性あり

👉 変更が 営業運用に影響するか を基準に判断します。


🧠 判断のコツ(実務の鉄則)

営業に影響するか?
 → 客室面積・レイアウト・仕切りなどは「承認申請」方向

単なる更新・原状回復か?
 → 同一機能・性能内の修繕や交換 → 届出不要

営業方法そのものに影響するか?
 → 変更前に承認申請が必要な場合あり

遊技設備の区分ごとの数量が変わるか?
 → 増減があると届出対象になります


✍ 最後に:具体例で整理

変更内容変更届構造変更申請
壊れたガラス交換不要×
食器棚増設要届出×
ゲーム機交換要届出×
客室壁撤去×要申請
客室位置変更×要申請
大規模模様替×要申請


⚠ よくある誤解

❌ 「届出したから何でもOK」
→ いいえ、軽微な変更であっても届出期限を過ぎると違反になります。

❌ 「承認申請は変更後からやってもいい」
→ いいえ、構造変更申請は必ず変更前に提出・承認取得が必須です。


📌 まとめ:ミスなく安全に手続きを進めるには

👉 変更届
→ 軽微な修繕や設備の入替えなど
変更後に届出提出(期限あり)

👉 構造変更申請
→ 客席位置・床面積・仕切り変更など
変更前の承認申請が必須

また、隣店舗との合併などで営業所面積が2倍以上になる場合は構造変更承認申請では足りず、新しい許可を取得する必要性も出てきます。
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