【行政書士が解説】試験後に何をすべき?行政書士開業までの流れと成功のポイント
本日2025年11月9日は令和7年度の行政書士試験でした。受験された方、お疲れさまでした。
長い受験勉強を終え、ようやく一区切りがついた方も多いのではないでしょうか。
合格発表を待ちながら「開業を目指したい」「独立したらどんな仕事ができるのか」など、次のステップを考え始めている方に向けて、今回は行政書士開業までの流れと成功のための準備ポイントを、現役行政書士の視点から詳しく解説します。

🔹 1. 行政書士試験の合格後にできること
行政書士試験に合格しても、すぐに「行政書士」を名乗って仕事ができるわけではありません。
まずは登録を経て、正式に「行政書士」として業務を行う資格を得ます。
✅ 登録までの主な流れ
- 合格発表(例:翌年1月下旬)
- 行政書士会への登録申請(2月〜3月)
- 登録審査 → 承認
- 登録完了・開業届提出 → 行政書士証票交付
登録には通常、1〜2ヶ月程度かかります。
登録後は、「〇〇県行政書士会」に正式に所属し、晴れて業務を開始できます。
🔹 2. 行政書士登録に必要な費用・書類
開業に向けて最初に必要となるのが「登録手続き」です。
登録には、次のような費用と書類が必要になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 登録費用 | 約30万円前後(登録料+入会金+会費)※都道府県で異なる |
| 必要書類 | 住民票、身分証明書、誓約書、写真、登録申請書など |
| 事務所要件 | 独立した事務スペース・机・郵便受け・パソコン・複合機があること |
💡 ポイント
自宅開業も可能ですが、「他の用途と明確に区分」されている必要があります。
家族共有スペースでは原則認められません。
🔹 3. 開業前に準備しておくべき3つのこと
行政書士登録を終えてから慌てないように、合格発表後の期間を有効活用しましょう。
以下の3つの準備が、開業後の成否を大きく左右します。
① 業務分野の選定
行政書士は扱える業務が非常に広範です。
代表的な分野には次のようなものがあります。
| 分野 | 主な業務例 |
|---|---|
| 許認可系 | 建設業許可、風俗営業許可、旅館業許可、産廃収集運搬許可など |
| 民事法務系 | 契約書作成、内容証明、遺言書・相続手続きなど |
| 外国人支援系 | 在留資格申請、帰化申請など |
| 法人設立系 | 会社設立、定款作成、各種届出書類の作成 |
初期は得意分野または関心のある業務に絞るのが成功の鍵です。
② 集客・マーケティングの基礎
行政書士業務は「資格を取れば依頼が来る」わけではありません。
特に独立直後は、集客の仕組みづくりが重要です。
- ホームページ作成(SEO対策・ブログ運営)
- Googleビジネス登録(MEO対策)
- SNS発信(X・Instagram・YouTube など)
- 同業・他士業とのネットワーク構築
💡 実務経験よりも“発信力”が仕事を呼ぶ時代です。
専門記事(例:「建設業許可の流れ」など)をブログに投稿するだけでも大きな効果があります。
③ 実務知識の習得
合格しても、試験勉強で扱う内容と実務は別物です。
開業準備期間に、実務講座や書式サンプルで**「行政書士の現場感覚」**を身につけておきましょう。
おすすめの勉強法:
- 行政書士会や民間の開業実務講座を受講
- 同業の先輩行政書士の事務所で補助業務を体験
- 各業務の書式・申請書を自分で書いてみる
🔹 4. 行政書士開業後に必要な届出関係
開業後は、税務署や自治体などに次のような届出を行います。
| 提出先 | 届出書類 | 提出期限 |
|---|---|---|
| 税務署 | 開業届(個人事業の開業・廃業等届出書) | 開業から1ヶ月以内 |
| 税務署 | 青色申告承認申請書 | 開業から2ヶ月以内 |
| 都道府県税事務所 | 個人事業税関係届出書 | 開業から1ヶ月以内 |
| 行政書士会 | 名刺・HP・看板等の届出 | 各会の規定による |
🔹 5. 行政書士として成功するための心構え
行政書士の仕事は、「人の悩みを解決する仕事」です。
開業してすぐに収入を得るのは簡単ではありませんが、次の3点を意識することで安定した経営が可能です。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| ① 継続力 | 結果が出るまで半年〜1年。焦らず継続。 |
| ② 専門性 | 「〇〇の許可はこの先生」というポジションを築く。 |
| ③ 信頼関係 | 丁寧な対応が口コミ・紹介につながる。 |
🔹 6. まとめ:今から「開業準備」を始めよう
行政書士試験後は、合格発表を待つ期間を**「開業準備の助走期間」**として使うのがおすすめです。
- 自分の得意分野を決める
- ホームページやブログを立ち上げる
- 実務講座で現場知識を学ぶ
これらを少しずつ進めておくことで、登録後すぐに業務をスタートできる環境が整います。
独立・開業を目指す皆さんの一歩を、心から応援しています。
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