一般社団法人とNPO法人の違いは?特徴・メリット・設立手続きを行政書士が徹底比較!
はじめに
社会貢献、地域活動、コミュニティ運営、業界団体、趣味のサークルの法人化など――「法人格」を持つことで、団体の信用や透明性、運営の安定性を高めたいときに選択肢となるのが「非営利法人」です。
特に、日本では 一般社団法人 と NPO法人(特定非営利活動法人) が代表的な非営利法人の形ですが、どちらを選ぶべきか、またどう設立すればよいのかは、団体の目的や構成員、活動内容によって異なります。
本記事では、その違いと設立の手続きの流れを解説します。
一般社団法人とNPO法人 ― どちらを選ぶべきか?
✅ 非営利法人とは
- 「非営利」とは、たとえ収益を上げたとしても、その「剰余金(余ったお金)」を構成員に分配しないという法人形態を意味します。
- ただし、役員報酬や従業員への給与を払うなど、運営経費や人件費を賄うことは可能です。
🆚 両者の違い:活動内容・制約・柔軟性
| 比較項目 | 一般社団法人 | NPO法人 |
|---|---|---|
| 主な活動対象 | 社員(団体メンバー)や関係者の利益を目的にした団体(業界団体・学会・協会など)にも対応可能。制限が少なく、幅広い活動ができる。 | 社会公益のための活動。不特定多数の人々の利益を目的とし、法律で定められた「特定非営利活動」の範囲で運営。 |
| 設立手続きの難易度・手間 | 比較的簡単。定款作成、登記申請をすれば設立可能。 | 手続きが複雑。所轄庁の認証が必要で、書類や事業計画の審査、縦覧期間などがある。 |
| 必要な人数 | 社員2名+理事1名以上でOK。理事と社員の兼任も可能。 | 社員10名以上、理事3名以上、監事1名以上が一般的。 |
| 設立にかかる期間・コスト | 定款作成、登記をすれば比較的短期間。登録免許税として約6万円。 | 所轄庁での認証手続きや審査に加え、その後に登記。全体で数か月かかる場合も。 |
要するに、「自由度・柔軟性を重視 → 一般社団法人 / 社会貢献や公益性を重視 → NPO法人」と、目的によって選び分けるのが基本です。
「どちらが良いか」は、団体の目的・規模・メンバー構成によって判断すべき、というのが多くの専門家の見解です。
一般社団法人の設立手続きの流れ
- 定款の作成
法人の目的、名称、本店所在地、社員・理事の構成、運営ルールなどを定めた定款を作ります。 - 登記申請
所定の書類をそろえて、法務局に法人登記を申請します。
- 添付書類には、定款、理事や代表理事の就任承諾書、議事録などが含まれます。
- 登録免許税は約6万円。 - 必要に応じた事後手続き
銀行口座の開設、会計処理、税務関係の届け出など、運営に必要な手続きを進めます。
✅ メリット
- 比較的少人数(2人)で設立できる
- 手続きが早く、費用も少なめ
- 事業内容の制限が少なく、柔軟に運営できる
⚠️ 注意点
- 「非営利」とはいえ、内部で利益分配(剰余金分配)はできない
- 運営ルール(会員構成、意思決定の仕組み、定款内容など)をしっかり定めないと、後々トラブルになる可能性あり
NPO法人の設立手続きの流れ
- 設立準備
設立趣旨書・定款案を作成し、賛同する“社員候補”を集めます。社員=団体メンバーで、10名以上が必要なケースが多いです。
生活文化局ホームページ - 設立総会の開催
設立総会で設立の意思決定を行い、その議事録を作成。設立趣旨書・定款・議事録などが申請時の提出資料となります。 - 所轄庁への「認証申請」
定款ほか必要書類を揃え、所轄庁(都道府県庁など)に申請。行政による審査があり、形式的なチェックだけでなく、事業計画の内容・妥当性・公益性も確認されます。
- また、多くの場合「縦覧期間(一般の人が内容を閲覧できる期間)」を経る必要があります。 - 認証後、法務局で登記
認証が下りたら、2週間以内に所轄の法務局で法人登記を行います。npojp.jp+1 - 各種届出・運営開始
税務署や地元自治体への届出、会計・報告体制の整備、活動計画の実行などをスタート。
✅ メリット
- 法的な公益性・透明性の担保が必要な活動に適している
- 社会貢献・公共的な目的の活動が「NPO法人」という名前で認知されやすい
⚠️ 注意点
- 社員が多数必要(10名以上)など、構成のハードルが高い
- 手続きが長く、審査の負担も大きい
- 定められた「特定非営利活動」の範囲内でしか活動できない
どちらを選ぶか? ― 選択の判断材料
- 活動の目的・対象
→ 特定のメンバー(業界、団体、資格系、協会など)で構成する「協会」「組織」であれば一般社団法人が向く。
→ 地域住民、社会一般、不特定多数への社会貢献やボランティア活動が目的ならNPO法人が適切。 - 構成メンバーの数
→ 少人数で立ち上げたい、小規模な団体なら一般社団法人。
→ より多人数で社会に開かれた団体にしたいならNPO法人。 - 設立のスピード・手間・コスト
→ 手軽・迅速・安価に法人化したい → 一般社団法人。
→ 公的な認証・手続きに耐えうる体制を構築できる → NPO法人。 - 活動の柔軟性 vs 公益性・透明性
→ 柔軟に事業展開や広い目的設定をしたい → 一般社団法人。
→ 公益性・社会性を重視し、社会的信用を重視したい → NPO法人。
まとめ:まずは「目的」「やりたいこと」「メンバー構成」で考えましょう
法人格を選ぶときに大事なのは、「何をしたいか/誰のためにやるか」「どのような規模でやるか」「どんな形で運営したいか」です。
「どちらが良いか」に優劣はなく、団体の目的や活動内容、メンバー構成に応じて最適な形を選ぶ — これが最も重要です。
下記に簡単なチェックリストを作成しましたので、ご参考いただければと思います。
一般社団法人 or NPO法人?最適な法人形態がわかるチェックリスト
もし迷うなら、書類作成や定款設計、手続きサポートをしてくれる専門家(行政書士など)に相談するのも有効です。
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